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関節と衣服、自然と人為
前回書いたように「関節への愛」をテーマに服のデザインを考えているのだが、いくら好きだからと言ってその形をそのままなぞったのでは芸がないというか、さりげなくない。舞台衣装とかならいいが、kiyozaneの服はreally real clothingなのだ。そこで着目したのが生地の「シワ」。曲げた状態の関節に合わせて服を作り、それを着て関節をまっすぐにした時に生じる「シワ」で関節の存在を強調する、というアイデアを思いついた。写真はシーチング生地での試作だが、本番はこれをもっとゴワゴワの厚い生地で作る。
「自然は美しい」とは誰もが思うだろうが、人間の感性には人為的なかたちにも理性の発現としての「美」を感じる回路があるというのが僕の持論で、自然物である人体(ここでは関節)はそのままでも美しいのだが、これにまとわせる衣服という人工物だって、というかむしろ人工物だからこその、理性で裏打ちされた「美」でありうる――そういう挑戦。